コスト削減のためにストレージ容量を抑えがちなSSD搭載のノートPC。
M.2対応なら簡単にSSD換装可能なので、LG GramのSSDを換装してみました。
今回採用したのは”WD GREEN SN350シリーズ”で、低発熱でコスパ重視のエントリーSSDです。
実際に使ってみての感想と移行の流れについてもレビューしてみます。
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機材名:Lg gram17 (2019)
製品名:”WESTERN DIGITAL WDS960G2G0C M.2 SSD NVMe Gen3 PCIe x4 960GB”
パッケージ
”WD GREEN SN350シリーズ”なので、パッケージもグリーンです。
年々コスト削減でパッケージがシンプルになっている気がしますが、必要十分ですよね。
どうせ捨てるか古いSSDの保管箱として使うかなので、もっと小さくてかさばらないほうが便利です。
デザイン
内蔵SSDにデザインを求める必要はないと思いますが、片面実装でシンプルです。
ヒートシンクはなく、”2280”サイズにキレイにまとまった無難なM.2のSSDという感じ。
ラベルによると、チップはSanDiskの中国製で、基板への実装はマレーシアで行われいるようです。
裏面には技適マークなどがプリントされている程度。
ハイエンドSSDのように放熱効果を高くするための銀シールはありません。
デザイン自体もコスト重視で、なにか特徴的なポイントが見当たりません。
スペック
公称値
メーカー | Western Digital (米国) |
型番 | WDS960G2G0C |
JAN | 0718037882390 |
容量 | 960GB (約1TB) |
コネクタ | M.2 |
インターフェース | PCI Express 3.0 (x4) |
プロトコル | NVMe |
Sequential Read | 2400 MB/s |
Sequential Write | 1900 MB/s (Max) |
TBW | 80 |
Size | 80×22×2.38 mm (いわゆる2280) |
Weight | 7.5g ± 1g |
保証期間 | 3 年 |
ベンチマーク結果 (CrystalDiskMark)
定番ベンチマークソフト”CrystalDiskMark”による計測結果です。
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CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo
Crystal Dew World: https://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 2431.160 MB/s [ 2318.5 IOPS] < 3413.81 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 1325.960 MB/s [ 1264.5 IOPS] < 787.48 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 515.709 MB/s [ 125905.5 IOPS] < 243.98 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 45.446 MB/s [ 11095.2 IOPS] < 89.80 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 2013.928 MB/s [ 1920.6 IOPS] < 4116.60 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 1541.088 MB/s [ 1469.7 IOPS] < 676.81 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 337.855 MB/s [ 82484.1 IOPS] < 384.32 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 159.667 MB/s [ 38981.2 IOPS] < 25.44 us>
Profile: Default
Test: 1 GiB (x1) [C: 16% (121/749GiB)]
Mode: [Admin]
Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec
Date: 2021/09/22 19:21:47
OS: Windows 10 [10.0 Build 19043] (x64)
Comment: WD GREEN SN350シリーズ WDS960G2G0C
使い勝手
付属の”Acronis True Image”だけで6,000円の価値
Acronis True Image (WD Edition)を使えるので、クローン作業が簡単です。
2021年9月現在、フリーソフトに限定すると信頼性が高いクローンソフトはほぼありません。
そのなかで、WD製SSDをPCにつなげば、約6,000円の”Acronis True Image”を使えるのは魅力的。
Acronis True Imageを買うとなると、Amazonかソースネクストで6,000円ほどで販売しています。
(1年版だと3,000円、永年版が6,000円ほど)
他メーカーのSSDをクローンしたいときも、WD製SSDをつないでおくだけでAcronis True Imageが動くのでお得です。(正規の使い方ではありませんので、自己責任でお願いします。動作しなくても、当サイトでは責任を負えません。)
TBW(≒公称の耐久性)は低め。だが気にするな!
耐久性の目安となるTBW値が60で、ざっくりいうと書き換え60回で故障します。
つまり、まっさらな状態のSSDに1TBの書き込みを60回繰り返したら、寿命がくるということ。
ただ、このSSDを買うか迷っている方は、プライベート用PCで軽めの使い用途使う場合が大半だと思います。
業務用PCや、動画編集、750GBを超えるような大量のデータ保存目的には絶対に避けましょう。
ただ、ネットサーフィン程度+α程度の軽作業にしか使わないPCなら気にする必要は殆どありません。
新しいので割と速い!SATA接続SSDなら交換すべし!
SATA接続のM.2 SSDが装着されているPCでも、NVME対応モデルは極々一般的です。
ただ、同じNVMEでもCPUから遠い側でレーン数が削減(上写真だと右のNVME X2)していることも…。
この場合には、必ず新しいSSDはレーン数の多い方(上写真ならNVME X4)へ換装して、性能を引き出して上げてください。
元のSATA接続のSSD(SK Hynix RBU-SNS8152S3/256GG5)と比べて、新しいNVME接続のSSD(WESTERN DIGITAL WDS960G2G0C)の速度は概ね5倍。
特にOS起動やソフト立ち上げなどに関わりの深いランダムアクセス(Read)が高速です。
比較すること自体が無意味なほど高速なので、十分に高速化の恩恵に預かることができます。
手元の機材(LG gram 2019年 Core-i5モデル)だと、OS起動速度が20秒ほどから14秒ほどまで短縮されています。
改善してほしい点&注意点
SATAからPCIe(NVMe)への交換なら発熱に注意
2021年以降に発売されたノートPCなら、概ね”PCIe3.0×4″+”NVMe1.3”対応かと思います。
また、それ以前でもM.2規格に対応していれば、SATAとPCIe(NVMe)に両対応の機種は多いです。
ただし、元々SATA接続のSSDが実装されている場合、規格上はPCIe接続にも対応していても発熱に耐えきれない可能性があります。
ノートPCに後付ヒートシンクを設置する物理的余裕はないはずなので、温度管理に留意してください。
サーマルスロットリングの発動はともかく、内部に熱が貯まると半導体の寿命は劇的に縮むのでPC自体の故障リスクが跳ね上がります。
今回は、非接触式温度計で動作時温度を実測しましたが、画像のように最高51.6度でした。
サーマルスロットリング(Thermal Throttling)とは、「SSDのオーバーヒートを防ぐために性能を抑える」機能のことです。
感想:軽作業メインのPCでコスパ重視なら買い!
わずか1万円の出費で簡単に1TBの大容量かつ高速SSDを導入できるとは、いい時代ですね。
ネットサーフィン+写真や動画管理用の軽作業しかしないPCなら相性抜群で、十分に買いなSSDです。
動画編集をゴリゴリ行うとか、信頼性重視の用途なら他のSSDを選ぶべきですが、そんな用途ならこの記事をここまで読まれていないはずです。
ここまで記事を読んでいただくほど迷っているなら、このSSDを買うと決めても後悔しないと思います。
比較
KIOXIA SSD-CK1.0N3/N
キオクシア(KIOXIA)は、旧東芝メモリで、国産チップを使っているのが魅力。
国内販売はBuffaloが行っているので、サポートなどはバッファローが対応してくれます。
価格も安くて高品質なので、おすすめしたいのですが、クローンソフトがついていないのが弱点。
また、Amazon以外での取り扱いが少なく、店頭での入手は困難です。
Team M.2 2280 NVMe SSD 1TB MP33シリーズ
製品保証が5年間あり、大手メーカー製ながら、時には1万円でおつりがくるほど安いTeam製。
エントリーモデルなので速度は最高速ではないものの、”WD GREEN SN350シリーズ”とはほぼ同等。
ただし、クローンソフト(Acronis True Imageなど)が付属しないので、魅力的価格ながら見送りました。
Teamが台湾メーカーという点でも、積極的に選びたいのですが・・・。
購入するには?
売れているので、扱っているお店は多いです。
他の方のレビューもぜひ参考してみてください。
コメント
コメント一覧 (2件)
基盤ではなく、基板じゃないですか?
ご指摘の通りです。ありがとうございます。修正しました。